弁護士ブログ

2017年3月21日 火曜日

民事訴訟の陳述書

民事訴訟で本人尋問や証人尋問を行う場合、自分側が尋問申請した当事者本人や証人については陳述書を書証として提出するのが慣例になっています。陳述書には証言予定者が事件に関係ある経験や自分の考えを書きます。陳述書の作成者を法廷で尋問するのになぜあらかじめ陳述書を書くのかというと、尋問時間を節約するのと反対尋問の準備のためです。自分の側が申請した証人については、あらかじめ打ち合わせができ、法廷で言わせたいことも決まっているので、陳述書に整理しておいて尋問時間を少なくて済むようにします。相手方は証人の証言の信用性を崩すための反対尋問をします。その際、陳述書があって、その証人が法廷で証言したいことがあらかじめわかっていれば、その証言の信用性を崩すにはどんな質問をすればいいかあらかじめ検討でき、充実した反対尋問ができるというわけです。証人申請した側からすればあらかじめ証言内容を相手方に知らせるのは得策ではないと思われるかもしれませんが、それはお互い様ですし、むしろ反対尋問をされても証言内容が動揺しなければ、証言の信用性はより高まるわけで、反対尋問に耐えることは立証にとって大事な要素です。 その陳述書ですが、作成名義人が好きなように書くことは希です。裁判に必要なことをわかりやすく書き、かつ不利にならないようにするために、代理人弁護士が関与するのが通常です。ただ、裁判対策の要素に重点を置きすぎると作成名義人は自分の陳述書なのに書いてあることをよく理解できない状態になり、反対尋問で答えに詰まったり、うっかり不利な証言をしてしまうこともあります(尋問中は陳述書を見ながら答えさせてくれません。)。裁判対策も考慮しつつ本人も理解できて自分の言葉で語れるような陳述書にする工夫が必要です。

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2017年1月 7日 土曜日

預貯金当然分割説の変更

H29.1.7 昨年10月20日付けのブログで書いた、遺産の預金を相続人間の遺産分割協議を経ずに法定相続分の割合で預金を下ろせるかについて、昨年12月19日に最高裁判所の大法廷の決定で、2004年(平成16年)4月20日の最高裁の判例を変更して、預貯金は遺産分割の対象になるとしました。法定相続分の割合で相続人各人が預貯金を下ろせるという判断が変更されたのです。15人の最高裁判事全員一致の決定です。確かにこのようにしないと、生前贈与をたくさん受けた相続人がいる場合に預貯金の取得で調整する機会が奪われますから預貯金当然分割説は不合理でした。また、預貯金を遺産分割の対象にすることにより、他の遺産の価格にばらつきがある場合に取得総額を調整しやすくなる利点があります。 一方で、遺産分割協議が長期化した場合は、葬儀費用や相続税など当面相続費用や同居の遺族の生活費について預貯金が活用できなくなる問題があります。そのような問題に備えるために、ますます、予め遺言書を書いておくとか、受取人を指定した生命保険の利便性が着目されるでしょう。あと、遺産分割待ちで塩漬けになってしまう預貯金の問題を立法によって解決する議論もあるようです。

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2016年10月20日 木曜日

預金と遺産分割について判例変更の見込み

H28.10.20 遺産の預金を相続人間の遺産分割協議を経ずに法定相続分の割合で預金を下ろせるかについて、10月19日に最高裁が口頭弁論を開いて審議したというニュースが結構手広く報じられました。この問題については2004年(平成16年)4月20日の最高裁判決で遺産分割不要という判断がでましたので、裁判実務ではこの判断にならっていました。ところが、10月19日に大法廷で口頭弁論を開いたということは重大案件でかつ、従前の最高裁判例を変更されるだろうということを示しています。年末か来年初頭にでるであろう最高裁判決は法律の専門家の関心度が高いことはもちろんですが、相続一般への影響も大きいでしょう。生前贈与を受けた相続人がいる場合、遺産分割において、生前贈与を含めて遺産分割協議をするのが公平であるところ、各自が預金を引き出せてしまうと生前贈与による調整ができないという問題に焦点があたっています。この点はもっともであり、判例変更の流れは是認できますが、一方では、遺産分割協議が長期間まとまらないために預金のロックが解除されないとその間の葬儀費用やその他の相続債務の支払に困窮したり、被相続人と生計を共にしていた遺族の生活費が困窮してしまうという問題があります。最高裁が真逆といえるほどの方針転換するかまではわかりませんが、遺産の預金は引き出しにくい方向に変わりますので、今後は、早期の金銭取得のために遺言や受取人指定の保険で備える必要性が増すでしょう。 山田公之

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2016年8月 8日 月曜日

裁判所主導による口座特定制度の創設へ

H28.8.8 裁判などで確定した賠償金や子どもの養育費が不払いにならないように、裁判所が金融機関に対し、支払い義務がある人の預貯金口座の情報を開示するよう求める制度が平成30年ころ法整備化されそうだという記事が、H28.8.5の朝日新聞の記事にありました。元夫と養育費について取り決めた母子家庭は約4割。養育費を受け取れているのは全体の約2割だそうで確かにそんな実感があります。養育費を裁判所の手続きや公正証書によって強制執行できる権利にすることはできますが、差し押さえる資産は債権者で探さなければならず、不払いの場合の対処には困難が伴います。現在、預金口座を差し押さえるには口座のある金融機関と支店名まで調べなければなりませんでした。これは、金融機関の事務負担が過大にならないようにとの配慮のようですが、弁護士にとってもこの不便が取立てを難しくしていました。現在はデジタル化やオンライン化が進んでいるので、金融機関に口座の調査義務を負わせてもかつてほど過大な負担ではないという感覚になってきたのでしょう。整備が予定されている新制度では、裁判所が金融機関に債務者の口座の有無、支店名、残高を開示するよう求めることができるようであり、やや取立てがしやすくなるでしょう。ただ、欧米諸国の中には、養育費を公的機関が立替えたり、雇用主に支払義務者の給与から天引きさせるために公的機関に給与の支払いを申告させたり、不払いに刑事罰を課したり、ともっと現実の支払を確保する厳しい制度が整備されている国や州がありますから、我が国はまだ発展途上なのかもしれません。

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2016年7月 6日 水曜日

相続情報証明 手続き簡略化へ

本日の朝日新聞の朝刊等に法務省が相続情報証明を発行する制度を創設し、平成29年5月に実施するという内容の記事がありました。この制度は相続手続に携わる専門家にとっては関心度が高いです。  相続によって不動産の名義変更をしたり、預金を解約するような場合は、相続人が誰かを証明するために、被相続人や相続人の戸籍を集めて法務局などの役所に提出又は提示しなければなりません。20年も30年も相続手続きが放置されている場合や、被相続人の戸籍歴が複雑な場合は、集める戸籍の分量が多くなり相続人の確認作業に手間がかかりがちです。相続手続きの過程で一度はきちんと相続人の確認作業をしなければなりませんが、名義変更を受け付ける役所ごとに戸籍を提出又は提示したり、相続人の確認作業をしてもらうのは、煩雑だと感じていました。新制度が導入されれば、名義変更を申請する側が一度正確な相続関係図を作って、法務局に正確な相続関係図であることを証明してもらえば、他の名義変更窓口では相続関係を戸籍でなく相続関係図で証明すればよいことになります。相続人の確認作業が簡素化されれば、作業効率がよくなり、公費や手続き費用の削減につながります。  弁護士としては、法務局の証明がついて相続関係図が、裁判所への申立てでも使えるかが気になります。現在は、遺産分割、遺留分減殺、遺言書検認といった申立ては、被相続人の生まれてから死亡するまでの戸籍と相続人の戸籍を提出しなければなりませんので、この提出が不要になるのは基本的には好ましいことです。ただ、慎重な裁判所が今回の簡素化に賛同するかはまだ未知数です。 山田公之

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2016年6月14日 火曜日

株式の譲渡制限では万全ではない

H28.6.14 中小企業の株式は、定款で譲渡制限が定められていて、取締役会等の承認がなければ譲渡できないとされていることが多いです。このような定めによって、会社にとって望ましくない者が株主になることを防止しているのですが、譲渡制限をしておけば万全かというとそうではありません。会社が合併する場合や株主に相続が発生した場合は、譲渡制限の定めがあっても新参の株主の出現を阻止できません。このような弊害に対処するため平成18年5月に施行された会社法では、定款に定めることにより、相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者に対し、その株式を会社に売り渡すことを相続人等に請求できる権利を認めました(会社法174条)。 売渡請求は相続等を知った日から1年以内に行使しなければなりません。そして、売渡し請求後売買価格を双方で協議しますが、売渡し請求から20日以内に協議による売買価格が決まらなければ裁判所に売買価格の決定の申立てをしなければ売渡請求は効力を失います。また、買取りには会社の財源上の制約があります。 このように売渡請求権の行使には制約も多いですが、会社側主導で新参株主の出現を阻止できるメリットは非常に大きいです。当事務所でも会社の定款を見ることは多いのですが、会社法施行に対応して売渡請求権を規定している定款は少ないです。会社経営者としては、定款に売渡請求権を追加してもそれだけで害になるものではありませんから、株式の3分の2を支配できているのなら、売渡請求を定めておくのがいいでしょう。 山田公之

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2016年5月16日 月曜日

法科大学院定員割れ多数

平成28年5月11日の新聞報道によると、今春学生を募集した法科大学院45校の内43校が入学者の定員割れだそうです。もはや法科大学院制度が健全に機能しているとは言い難いです。平成16年から始まった法科大学院ですが、これまで3校が廃止、26校が募集停止になっています。不人気の理由は、高い学費をかけて時間と労力を費やして法曹資格をとっても経済的に報われない可能性が高いからでしょう。それなので、法科大学院に入学をするための必須条件であった適正試験の受験義務を廃止しても入学希望者増加の効果は低いと思われます。法科大学院の不健全な状態を是正するとしたら、法科大学院のような金と時間がかかる制度を改め司法試験の受験障壁をなくすべきでしょう。大学の医学部が高い費用や卒業まで6年かかっても人気があるのは、医師の社会的地位や収入に魅力があるからでしょう。法科大学院の人気を向上させようとするなら、弁護士の社会的地位や収入に魅力を持たせる必要があるでしょう。弁護士の魅力向上が不要というなら、法科大学院で高い学費や労力を費やさなければ弁護士になれない仕組みはやめるべきでしょう。 山田公之

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2016年4月29日 金曜日

限定承認は少ない

相続人の資格を得た場合、相続権を行使する「単純承認」、相続権を放棄する「相続放棄」、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務について責任をもつという「限定承認」という3つの選択肢があります。
限定承認は、プラスの遺産とマイナスの遺産のどちらが多いか直ちには判断し難い場合に、単純承認して損失を被るリスクを回避することができます。これだけ聞くと限定承認は便利な制度と思うかもしれません。しかしながら、限定承認は相続放棄の申述をした人を除くすべての相続人が家庭裁判所に申述(申立て)をしなければなりません。加えて、遺産に含み益を抱えている(買値より時価が上がっている)不動産等がある場合、売却しなくても、みなし譲渡所得税(所得税法59条)がかかります。詳しい説明は省きますが、この税負担は、プラスの遺産<マイナスの遺産の場合はさほど問題にならないのですが、プラスの遺産>マイナスの遺産の場合は、重い負担に
なり、単純承認した方がよかったということになりがちです。
そういうわけで、いいとこ取りでお得な制度にみえる限定承認ですが、実務での利用はかなり少ないです。司法統計にもその実情が現われています。平成26年の日本全国の裁判所が受け付けた件数をみると、相続放棄の申述'(申立て)の件数は18万2089件なのに対し、限定承認の申述(申立て)の件数はわずか770件に留まっています。
山田公之
 

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2016年4月 8日 金曜日

裁判の手数料

前回の記事で印紙税のことに触れたついでに、訴状等に貼る収入印紙の話をします。民事訴訟を提起して審理してもらうには、訴え提起手数料がかかり、その金額を収入印紙等によって裁判所に納めます。手数料の金額は、もし勝訴したら原告が受ける利益を基準にして決まります。第1審で被告に100万円請求する訴訟なら1万円、1000万円なら5万円、1億円なら32万円です。控訴審なら1.5倍、上告審なら2倍の金額になります。ちなみにアメリカでは、訴える金額にかかわりなく200~300ドル位の手数料になっています。権利を侵害されている人の立場からすれば、手数料は定額で少額の方が裁判所を利用しやすくて歓迎するでしょう。ただ、国民の全体の立場でみると一概に手数料は少ない方がいいとはいえません。手数料が低額化すれば、訴訟が提起しやすくなる分、理不尽な訴訟が増えて巻き込まれる迷惑も増えそうです。それに、裁判所の運営費は、手数料収入だけの独立採算でできるわけがありませんから、税金が投入されています。そうなると、裁判所のヘビーユーザーや無茶な訴訟にかかった裁判所の運営費の大半は納税者の負担になってしまいますが、それでは不公平ですし納税者も納得し難いでしょう。
 ですので、私からみると手数料はもう少し低くして欲しいが、極端に低くするのは消極的という考えになります。
 ちなみに、離婚や遺産分割等の家庭裁判所の調停や審判の手数料は、1200円と800円という2つ手数料体系が主体となっていて低額に抑えられています。こちらは、家庭の問題について裁判所を利用しやすくしようという福祉的配慮があるのだと思います。
山田公之

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2016年3月30日 水曜日

弁護士の領収証と印紙税

H28.3.30
弁護士が顧客から法律相談料や報酬をいただいた場合、領収証を発行しますが、領収証に収入印紙を貼らないので、「大丈夫?」と思う方がいるかもしれません。しかし、弁護士が業務上作成する受取書は、「営業に関しない受取書」として印紙税が非課税とされていますので、収入印紙を貼らなくても大丈夫なんです。
根拠条文は印紙税法第5条別表第一・17の2で、営業に関しない受取書は非課税物件とされています。「営業に関しない受取書」に該当するか否かについては、国税庁の通達があって、印紙税法基本通達では第17号文書の解釈として、「弁護士、弁理士、公認会計士、経理士、司法書士、行政書士、税理士、中小企業診断士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築士、設計士、海事代理士、技術士、社会保険労務士等がその業務上作成する受取書は、営業に関しない受取書として取り扱う。」と定めています。
 それでも世間からみると収入印紙を貼らない違和感がありうるので、東京都弁護士協同組合が販売する弁護士用の領収書綴りには、印紙税が非課税であることと根拠条文が記載してあります。ちなみに委任契約書も非課税ですので、弁護士が依頼者との間で作成するも委任契約書にも収入印紙を貼りません。
文書の電子化が進みつつありますが、ひとたび紙ベースで処理しようとすると印紙税の課税文書か否かの判断に悩まされますね。
山田公之

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2016年3月25日 金曜日

相続財産法人とは

現行の民法第951条には「相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人とする。」と規定されています。私が学生時代初めてこの条文に接した時は、「相続は人の死亡に関わる事象なのに会社のような『法人』になるとはどういうこと???」といった疑問がわきました。
しかしながら、この規定はちゃんと存在意義がありますし、相続財産法人が成立することは決して珍しいことではありません。典型的な事案は、遺産もあるが、債務の方が多い、といった遺産が債務超過の場合です。この場合は、被相続人の配偶者、子供、親兄弟が全員相続放棄をして相続人がいなくなることがよくあります。こういう場合に、遺産は誰の所有なのか、相続債務の債務者は誰なのか、が決められなくなってしまうので、相続財産法人が遺産や債務についての権利義務の主体になるのです。ただ、法人といっても人の結合体ではありません。財団法人の一種といえるでしょう。相続財産法人については裁判所が相続財産管理人を選任して、その管理人が会社の代表取締役や財団法人の理事長のように、相続財産についての管理や意思決定をすることになります。相続財産法人は新規の活動を予定していないので、相続財産管理人が清算業務を行い、消滅に向かうことになります。
山田公之

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2016年3月18日 金曜日

振込手数料どっちが負担

H28.3.18
民法の原則では、振込手数料は振り込む側の負担です。現行民法では「弁済の費用について別段の意思表示ないときは、その費用は、債務者の負担とする。(第485条)」と規定されています。それなのに、「振込手数料はご負担ください。」と書いてある請求書はよく見かけます。このような注意書きがないと振込手数料を受領者負担にしてしまう人がいるからでしょう。例えば、債権者が集金する習慣があった取引などでは、集金するコストを考えたら振込手数料くらい安いではないかという感覚があるかもしれません。新聞、光熱費、NHK受信料も集金する習慣がまだ残っています。
 では、納品のコストはどうなのかというと、巷に多数出回っている製品(不特定物)であれば、民法では相手の住所に届ける義務あるとされていますから(第484条)、納品のコストは納品する側が負担するが原則で、振込手数料の負担の場合と均衡がとれています。しかし、現状では、送料は顧客負担のことが多く、振込手数料も顧客負担が原則だと、顧客側は負担が多いと感じることでしょう。しかし、送料や振込手数料をどちらが負担するかは、民法の原則を特約で修正することができますので、両方顧客負担とする契約も認められます。顧客としては、送料や振込手数料を含めた商品価格を念頭に買うか買わないかを判断するということになりましょう。

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2016年3月15日 火曜日

刑法犯戦後最少

警察が認知した刑法犯の件数が2015年は約110万件と戦後最少になりました。過去最高記録したのは2002年の285万件ですから、ここ10数年でかなり減少したといえましょう。特に大きな割合を占める窃盗犯は2002年には約238万件だったのに対し2015年は約81万万件と66%減少しました。私の中でも窃盗の刑事事件は減っているという感覚があります。防犯カメラの普及、防犯意識の高まり、DNA鑑定といった科学捜査の発展などが関係しているのでしょう。そうなると治安は良くなっているとはいえそうですが振り込め詐欺やDV、ストーカー等は窃盗ほどの件数はありませんが増加傾向があるようです。そのせいか数字が示すほど治安が良くなってるという実感はありません。

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2016年2月 5日 金曜日

相続法改正審議

民法は2016年頃債権関係の法規が様変わりする予定ですが、相続の分野でも、法務省で改正を検討しているようです。改正内容はまだ決まっていませんが、2016年2月2日の日本経済新聞の夕刊に改正が見込まれる部分が報道されました。その中には、遺留分減殺請求を家庭裁判所で完結させることや、自筆証書遺言の方式を緩和するというものもありますが、理念的な改正として、相続開始時における配偶者の居住権の保護、配偶者の貢献に応じた相続分の調整、寄与分の拡張、があります。現行法では、相続人が配偶者と子の場合は、配偶者の法定相続分が2分の1というのは広く知られていると思いますが、2分の1しかないことによって被相続人に先立たれた配偶者が住居を確保できない悲劇が起こったりします。逆に、被相続人が死亡する間際に再婚した場合は、配偶者に2分の1の法定相続分があることについて心情的に納得いかないことが原因の紛争も多いです。それなので、改正事項に挙げられていることはもっともだと思います。ただ、現行法では親族関係から比較的簡単に割り出せた法定相続分が、改正によりわかりにくくなります。それに法定相続分が不条理な場面でも法律だから仕方がないとあきらめられる割合が減りそうです。そうすると、改正になれば、より実情に則した解決が求められ、複雑になりますので、遺産分割の専門性がやや高まるように思えます。
「寄与分」とは被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与があった場合はその人の取り分を多くする制度です。制度としては条理にかなっているのですが、現在の裁判実務では寄与分の認定や寄与分の割合は厳格で、十分に機能しているとはいえません。それなので寄与分の拡張という方向性はいいと思います。ただ、物差しで測れるようなものではありませんし、寄与がある人は優遇されていた場合もよくあるので、寄与分をどう認めるかはやはり難しい問題でしょう。寄与に報いることを考えるならやはり遺言が優れています。
山田公之

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2015年6月 5日 金曜日

司法試験合格者数年間1500人程度

平成27年5月21日の法曹養成制度改革顧問会議で、今後の司法試験の合格者について、「1500人程度」とする方針が報道されました。13年前に掲げた3000人という目標から半分になりましたが、まだ先に合格者数を決めて後から需要を作るという感じがあります。1500人でもまだ弁護士の供給過剰は続きますが、一方で合格者を減らすべきでないという人も根強くいます。「司法試験合格者は減らすべきではない」、という主張の理由としてよくいわれるのが、「弁護士もただの資格だから、資格を取ったことと弁護士業が成功することとは別のこと、社会の弁護士需要よりも弁護士を多くして競争原理を働かせた方がいい」という理由です。このような競争原理は、自動車の運転免許ならなじむのかもしれません。つまり、合格は技能で決まるもので数に制限はありません。免許を取った後、タクシーやトラックの運転手として稼げるかは全く未知数です。しかし、これを医師という資格に当てはめたらどうでしょう。ご承知のとおり医師になるには多めの年数と多大なコストがかかりますが、医師になった後も過当競争で経済的安定が保証されなかったら、優秀な人は集まらないのではないでしょうか。それは医療の質の低下を招くわけで歓迎できるものではありません。
法曹資格(裁判官、検察官、弁護士)を、運転免許寄りに考えるのか、医師寄りに考えるのかによって資格取得後の安定性の考え方は違ってきます。法曹資格取得にかかる年数やコスト(500万円とも1000万円ともいわれる)及び法曹資格の公益的要素を勘案すれば医師寄りに考えるべきなのでしょうが、資格取得後の安定性は弁護士については運転免許寄りになってしまっています。今は弁護士資格をとっても仕事がなくて稼げないから弁護士登録をしない人も少なからずいますが、法科大学院には税金から補助金が支給されていますし、合格者の研修には、国費が使われていますから、ペーパードライバーを養成するために税金が使われていることになります。同じ税金を使うなら不足しているといわれている医師の養成に回せないのでしょうか。競争原理による緊張感の必要性は否定しませんが、司法試験合格者数は需要を合わせるようにして、医学部の定員に近い考え方をしてもいいように思います。
山田滋 山田公之

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2015年3月19日 木曜日

無理筋事件

最近、相手方に勝算がないような事件の裁判でも弁護士の代理人が就いて大いに争ってくる事件が増えたように思います。ですので、勝ち筋でも抵抗に対抗するための時間と費用を考えておかなければならなくなっています。10年以上前なら、成果が見込めないから、大半の弁護士が依頼を断ったであろうと思われる事件でも弁護士が就いて真っ向から争ってくるようなことが珍しくなくなりました。これも弁護士が増えて無理筋や負け筋でも依頼を受ける弁護士が増えたのでしょう。依頼する側からすれば、昔のように何軒も断られ続ける事態が少なくなって歓迎すべきことといえなくもありません。しかし、無理筋や負け筋の事件は成功報酬が望めませんから、弁護士が受任する場合は、着手金やタイムチャージ(時間単位の報酬)に重きを置くことになります。そうすると、負け筋の事件で結果も負けになった場合、弁護士を依頼した分だけ余計な費用がかかったことになります。そのことを依頼する段階で承知していればいいのでしょうが、「引受けてくれる弁護士さんが見つかったのだからきっといい成果が出る」と期待していた場合は、落胆は大きいでしょう。一昔前のように、引受ける弁護士が見つからない方が早めに無理筋の事件ということがわかって余計な費用がかからなくてよかったという見方もできるでしょう。
当事務所では、成果が見込めない事件の受任は慎重にしています。無理筋、負け筋でも、和解等の円満解決に価値がある場合、少ない勝算に賭ける価値がある場合等は受任しますが、その時は、過大な期待をされて後で気まずくなっても困るので、十分想定される事態を説明して納得してもらってから受任するようにしています。時には、「あの弁護士は弱気だ」と思われるかもしれませんし、業績向上のためには事件を選んでいてはいけないんでしょうが、やはり後味の悪い思いはしたくないので、安易な受任は避けるようにしています。今のところ、過去の依頼者からの再度の依頼や依頼者からの紹介の案件がそこそこあるので、このような方針でも支持は得られていると思っています。
山田滋 山田公之

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2015年1月13日 火曜日

遺産分割の裁判は時間がかかるか?

民事紛争のなかでも、遺産分割の紛争は文句なく時間がかかる類型に入るでしょう。私(山田公之)がかかわった遺産分割事件の中でも、解決まで、30年や27年かかったものがあります。遺産分割が長期化してしまうのは、相続人が多い、遺産が多い、遺産の評価が困難、遺産の範囲が不明確、親族間故の長年にわたる怨恨がある、といった要素があるためです。遺産分割の解決のためには、遺産の範囲や生前贈与の有無や遺言の有効無効などの前提問題の解決を要する場合があり、そのような前提問題は別訴訟で解決しなければならない場合があり、その別訴訟で最高裁まで争うと、5年やそこらかかってしまうのです。30年かかった事件は、遺産が多い上に、被相続人が死亡する以前から家督相続的な考え方で財産の承継が進められていました。それを、子だくさんの時代に生まれた多数の相続人で争っていたのです。長期化する内に当事者の世代交代が進み、そこで更に相続人が枝分かれして複雑になる悪循環でした。解決した頃は1人を除いて他の当事者は孫の世代になっていました。争っている間遺産を有効活用できず、もらえるはずの遺産を生きている間に使えないのは虚しさを感じました。現在は、家督相続的な考え方も縮小し、少子化しているので、10年を超える遺産分割紛争は少なくなってきていると思いますが、それでも長期化しやすい紛争であることには変わりありません。相続が始まる前に話し合いをしたり遺言書を書くことで紛争化はかなり防げます。

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2014年8月13日 水曜日

本人訴訟

民事訴訟等の裁判所の民事手続は、弁護士を代理人にしなくても、成年後見や未成年者でなければ本人(会社なら代表権ある役員)だけでできます。当事者に弁護士のような専門職の代理人が付いていないような訴訟を、「本人訴訟」と呼んでいます。地方裁判所は訴額140万円以下の少額事件を除いた訴訟事件を扱いますが、原告又は被告のどちらか一方、あるいは双方に専門職の代理人が付かないという本人訴訟の割合は70%くらいだそうです。
本人訴訟になる原因は大きく分けると3つあります。1つ目は、弁護士を頼みたいが弁護士費用がない、2つ目は、採算が悪いとか成果が見込めないということで弁護士から断られた、3つ目は、弁護士は引き受けてくれるが、自分でやりたい、というものです。
近年、法テラス(日本司法支援センター)ができて法律扶助制度が利用しやすくなりお金がない人でも、成果が見込める事件は弁護士費用を立て替えてくれるため、1つ目の事例はかなり減っている感じがします。2つ目は費用対効果の問題で今後も消滅することはないでしょうが、弁護士が激増したことにより、報酬が低額化したり着手金目当てで勝算がない事件でも受任するような弁護士もでてきたためやはり本人訴訟は減少傾向にあります。それゆえ、最近の本人訴訟は、「自分でやりたい」から本人訴訟でやっているという割合が多いといえます。一部には高い費用をかけて弁護士を依頼しなくても自分でできると主張しそのような趣旨の本もありますが、訴訟の現場をみていると生兵法は怪我の基というような事例が結構あります。当事務所で扱った案件でも、1000万円とれればまずまずという訴訟で、相手が弁護士をつけず、和解もせず最高裁まで争ったために思いがけず1500万円とれたという事件がありました。本人訴訟にありがちな弱点は、「主張と立証が区別できない」、「自分は正しいのだから裁判所がよき取りはからってくれると思っている」というものがあります。しかし、裁判所は、中立を保たなければなりませんし、手続以外は私的自治を尊重しますので介入は抑制的にしかしません。
当事務所では、本人訴訟を否定するわけではありません。大事なのは使い分けです。相談いただいて、採算や難易度の観点から本人訴訟をお勧めする場合もあります。「弁護士を頼んだが簡単な事件だったので頼まなくても同じような成果が出せた」、「弁護士を頼んだが成果よりも弁護士費用の方が多くなってしまった。」という不満をもたれたのでは、事務所としても気分がよくありません。そして、代理人としてではなく、裁判中の継続相談や書面の代書というお手伝いの仕方を提案することもあります。 事件の難易度が高かったり事件が重大であれば早期に弁護士に依頼することをお勧めするようにしています。弁護士費用については、事件の複雑度、責任の軽重、成果の大小、等の要素を勘案し合理的に算出するよう努めています。
弁護士費用も掛け所が大事で、弁護士と一般の方との感覚が違うことも多いです。早めの相談によってそのギャップは縮められるでしょう。

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2014年4月 9日 水曜日

契約と契約書
「契約書がなければ契約は成立していない。」、
「契約書に書いてあることが契約の内容である。」、
どちらももっともらしいですが、必ずしも正解とは限りません。当事者の合意があれば書面がなくても契約は成立しますし、契約の内容が契約書どおりではない場合もあります。
とはいえ、当事者が署名押印した契約書があれば、契約書の内容の契約が成立したことが強く推定されます。
弁護士に持ち込まれる契約書のトラブルの例として、契約書が当事者の契約締結交渉の結果を反映しない内容になってしまったとか、取引上の力関係から不利な契約書を押しつけられて飲まざるを得なかった、というようなものがあります。そのようなトラブルになった時は、交渉過程の記録が残っていれば契約書の解釈の指針として役に立つことがあります。メールなんかで、不利な条項の解釈を尋ねておいたり、不服な部分があることを知らせておいたことが残っていると契約書の形式論に抵抗する材料となります。
大きな取引なると小さな合意の積み重ねで本契約に至ることも多いです。その過程で、中間的・折衷的合意内容を「覚書」というような書面にすることがあります。この場合、本契約の契約書ができた時に、覚書の合意は消滅するのか、本契約と両立するのかがはっきりしないというトラブルもあります。これに対しては、本契約で「完全合意条項」を入れて、中間合意を排除するか、中間合意を維持する場合は、本契約書にも条項として入れておくことが有効です。国際取引では本契約に「完全合意条項」が記載されることが多く、これが入っていると交渉過程の合意を主張しても通らないので注意が必要です。

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2014年3月 1日 土曜日

オレオレ詐欺雑感
最近、オレオレ詐欺の受取人役の国選弁護事件がよく割り当てられるようになりました。振り込め詐欺やオレオレ詐欺への注意喚起が浸透して、痴漢や暴行をして捕まった被疑者から頼まれて我々弁護士が親に電話連絡すると詐欺だと疑われて仕事がやりにくいこともありますが、まだまだ被害に遭う人が多いようです。一方で騙した側で捕まるのは受取役のような末端の人ばかりです。こういう人達は若者が多く、都会の繁華街でふらふらしているところを書類を受け取るアルバイトがある等と声をかけられて、数万円の報酬で電話で指示された場所に行く受取人役の仕事に応じてしまうのです。受取人役の人達は、捕まった時詐欺の共犯だといわれてもピンとこない人が多いです。どういうストーリーで被害者のお年寄りを騙しているのか知らないし、受け取る物は書類だといわれたから自分はお金をだまし取ろうとした意識がないという訳です。しかし、雇い主の...身元がわからない、電話で指示した人物もわからない、偽名や偽の職業を名乗るように指示された、まともな人は書類を受け取るような単純な仕事に数万円の報酬など払わない、オレオレ詐欺の手口は社会に広く認識されている、という状況下におかれれば、犯罪に関わっていることは当然認識できるわけですから犯罪をやっているとは思わなかったでは済まされません。しかも、オレオレ詐欺は、その卑劣性や組織性に加え被害金額が大きいことから、量刑が重く、主犯格たりえない受取人役でも、いきなり執行猶予無しで刑務所行きになることも珍しくありません。捕まった受取人役にその話をすると愕然とします。被害金が被害者に戻らないと、受取人役の人には数百万円の被害金を弁償する資力はありませんから、被害回復がなされないという理由で刑務所行きの確率はもっと高まります。主犯格は少ないリスクで高額な被害金を吸い上げ、失敗しても末端の受取人役が捕まるだけで、また別の受取人役を雇ってオレオレ詐欺をする、という構造になっています。末端の受取人役はハイリスクローリターンで使い捨てにされるわけですから全く割に合わない犯罪です。怪しげバイトに応じてオレオレ詐欺の片棒を担ぐことがないように願うばかりです。一方で、主犯格が捕まらない現状ではオレオレ詐欺はなかなか根絶できません。主犯格を捕まえるために通信傍受やおとり捜査の許容範囲をもう少し広げてもいいように思います。http://www.law-shinrai.com/

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2013年7月11日 木曜日

法律相談、無料・有料について

法律相談料の目安は、30分5000円+消費税です。時給1万円と考えると高いと思う方もいるでしょう。ただ、他の専門家の有料相談もこれくらいの相場ですし、占いなんかも同様です。医師の診察はもっと安いと思うかもしれませんが、それは健康保険があるからで、医師に入る診察料は法律相談料より多いでしょう。また、大事件や専門性の高い案件を取り扱う場合に適用されることがある弁護士のタイムチャージ制ですと、1時間3~5万円です。一方で、「法律相談無料」を広告で掲げる法律事務所もあります。無料相談であれば法律事務所を利用しやすいでしょうし、法律事務所も集客が期待できることになりましょう。しかしながら当事務所は無料法律相談を広告に掲げておりません。理由はいくつかありますが、無料相談で問い合わせてくる方の中にはあちこちで無理筋の事件について無料相談をして依頼を断られている方がいらして、そういう方の相談だと当事務所でも受任を辞退する可能性が高いのです。それに、有料ですと、相談料を払う価値がある案件なのか検討してくれますし突然のキャンセルも少ないです。加えて、相談時間を有効に使えるよう相談内容を整理してくる方が多いので無料と比べて密度の濃い相談が期待できます。逆にいうと無料相談を実施するには、人的資源を効率よく使う必要があるので大規模事務所とか秘書が案件を聞いて整理してから弁護士に取り次ぐような態勢がないと難しいでしょう。債務整理に限って無料相談を実施する事務所は結構あります。相談案件が債務整理の場合は、わりと事務処理が定型化していますし、依頼率も高いからです。
当事務所は有料相談という態勢ですがご依頼につながった場合は相談料は着手金に充当しますし、継続的に多数回相談する方についてはお得な相談料を設定していますので、なんでも杓子定規に相談料をいただいているわけではありません。
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2012年5月 2日 水曜日

失踪宣告と認定死亡

失踪宣告と認定死亡
今回の大震災でもそうですが、災害や事故があると、死亡した可能性は高いものの、遺体が確認できない等により行方不明のままになっていることがあります。こういう場合に死亡したことにして法律関係を整理する制度として、失踪宣告と認定死亡という制度があります。前者は民法の制度(第30条)、で後者は戸籍法の制度(第89条)です。失踪宣告は家庭裁判所が発令します。通常の失踪宣告は7年間音信不通の場合に発令されますが、危難があったことを前提とした失踪宣告は危難が去ってから1年経過すれば失踪宣告可能で、この場合、危難が去った時に死亡したと見なされます。認定死亡は災害等の事変によって死亡したと判断される場合にその取り調べをした行政官庁が市町村長に死亡の報告をすることによって死亡を推定する制度です。こちらは、失踪宣告と異なり死亡認定まで1年以上待つ必要はないので、相続や保険金の支払い等で迅速な対応ができます。両者は類似した制度ですが、後から本人が死亡していないことが判明したときの手続きに顕著な差異があります。認定死亡の場合は、死亡が推定されているだけなので、生存が確認できれば推定は破られ、死亡の取り扱いはなくなります。しかし、失踪宣告の場合は死亡と見なされているので、この効力を覆すには、改めて家庭裁判所から失踪宣告の取り消しの審判を発令してもらう必要があります。
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2011年7月12日 火曜日

不動産賃貸借における保証

建物賃貸借の法律相談で、時々尋ねられる問題として、建物賃貸借契約が更新されたときに、従前の保証人が更新の契約書にサインしていなくても更新後も保証人としての責任を負うのかという問題があります。一般の方が疑問に思うのはもっともで、専門家の間でも議論になっていました。最近は、保証人の責任は継続するという最高裁判例がでて、責任継続説が定着している状況にあります。この考え方によれば賃料の増額があった場合でも増額の幅が客観的に相当なものであれば増額分についても責任を負います。反対説は民法619条2項が賃貸借契約更新後の担保は消滅すると規定していることを根拠にしていますが、借地借家法が適用される賃貸借契約では賃貸人からの更新拒絶や解約が容易でないので、保証人は特段の事情がない限り継続させなければ賃貸人に酷だということで責任継続説が定着しているのでしょう。しかし、責任継続説だと保証人の責任が長期に及ぶことになりがちで保証人の負担が重すぎる事態になりえます。そこで、信義則上保証人の責任が限定される場合があると考えられています。例えば、滞納が続くのに賃貸人が契約解除や明け渡し請求することなく放置している場合などです。
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2011年4月 1日 金曜日

最近の取り扱い事件

ホームページリニューアルしました。より親しみやすく、説明も詳しくしました。

当事務所は、大会社の組織に関する業務、医療事件等の高度に専門的な事件、刑事の重罪事件等は通常取り扱っていませんが、それ以外は様々な類型の事件が満遍なく持ち込まれる事務所です。ここ3年をみても、破産、民事再生、過払金請求、建築瑕疵、名誉毀損、著作権侵害、商標権侵害、株主の地位確認、交通事故、水漏れ事故、火災、労災、不動産取引、労働事件、建物明け渡し、賃料請求、貸金請求、売掛金回収、離婚、相続、祭祀の承継、認知、成年後見、仮差押え・仮処分、強制執行、刑事事件(恐喝や交通違反等)、少年事件等がありました。最近は、弁護士の専門分野に関心を持つ方も増えてきて、弁護士としても研修等で研鑽を積むようにはしていますが、一方では、企業でも専門分野ごとに顧問弁護士を置くような大きな会社でなければ、守備範囲の広い弁護士のニーズは結構高いように思われます。

山田滋法律事務所

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2011年1月26日 水曜日

ウェブサイトを開設しました。

ブログも開始しました!
お楽しみに!

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