弁護士ブログ

2016年8月 8日 月曜日

裁判所主導による口座特定制度の創設へ

H28.8.8 裁判などで確定した賠償金や子どもの養育費が不払いにならないように、裁判所が金融機関に対し、支払い義務がある人の預貯金口座の情報を開示するよう求める制度が平成30年ころ法整備化されそうだという記事が、H28.8.5の朝日新聞の記事にありました。元夫と養育費について取り決めた母子家庭は約4割。養育費を受け取れているのは全体の約2割だそうで確かにそんな実感があります。養育費を裁判所の手続きや公正証書によって強制執行できる権利にすることはできますが、差し押さえる資産は債権者で探さなければならず、不払いの場合の対処には困難が伴います。現在、預金口座を差し押さえるには口座のある金融機関と支店名まで調べなければなりませんでした。これは、金融機関の事務負担が過大にならないようにとの配慮のようですが、弁護士にとってもこの不便が取立てを難しくしていました。現在はデジタル化やオンライン化が進んでいるので、金融機関に口座の調査義務を負わせてもかつてほど過大な負担ではないという感覚になってきたのでしょう。整備が予定されている新制度では、裁判所が金融機関に債務者の口座の有無、支店名、残高を開示するよう求めることができるようであり、やや取立てがしやすくなるでしょう。ただ、欧米諸国の中には、養育費を公的機関が立替えたり、雇用主に支払義務者の給与から天引きさせるために公的機関に給与の支払いを申告させたり、不払いに刑事罰を課したり、ともっと現実の支払を確保する厳しい制度が整備されている国や州がありますから、我が国はまだ発展途上なのかもしれません。

投稿者 しんらい法律事務所